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パラレルワールド




 もしもね、君がいたらって思うことがあるのよ。

 もしも君がいたらね、今日もそばにいてね、この青い花畑を一緒に見れたと思うの。
 もしも君がいたらね、この場所に君も一緒に来てね、何かを分け合って食べた気がするの。
 そう思うと、どんなにいい日でもちょっと損した気持ちになるよね。
 でもきっとね、もしも君がいる世界と君のいない世界があったとしてね、君がいないほうが私の正しい世界なのよ。君がいる世界はね、私が寂しい世界なのよ。
 きっと、大人になっていくにつれて私たちは離れていくはずだったの。ともだちからクラスメイトに、クラスメイトから知り合いに、知り合いから赤の他人に、少しずつ離れた道を歩くようになっていたのよ。
 でも君はいなくなって、私の中にいるの。なんだか薄情ね。結局は君の抜け殻が好きなだけなのよ、きっと。
 
 でもね、もし君と私が重なる世界があるなら、それは素敵だなって思うのよ。本当にそばにいてくれる君も、本当に好きだったから。

9/25/2025, 10:45:51 AM