ネタを求めて

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「今日の心模様は〜っ、うーん、テスト面倒臭い!」
「んな事言ってないで、さっさと支度しろー」
 何でこの世にテストなんてものが存在するんだろうね〜など色々愚痴を漏らしながら居候は制服を着ていく。
「てゆーか、私、君よりも年上だよね!?敬語は!?」
「あんたのことを年上だと思ったこと1度もねぇよ…」
「そっかぁそれは残念」
 ニコニコ笑顔で彼女は支度を済ませる。ふと、棚の上にある薬に気がついた。あれは確か、
「…これ、忘れてる」
 しっかりと昼分のカプセルを渡した。終始彼女は困ったように笑うので、ほんの少し自分まで胸がチクリと傷んだ。
「…テスト、頑張れるといいなぁ」
「出来るだろ、あんた頭良いんだから」
「…そうだねぇ」
 俺たちは2人並んで通学路を進む。
 彼女に猶予がないことを知りながら。
_残り少ない居候

4/24/2023, 4:00:46 AM