霜月 朔(創作)

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幸せに


君は未だ、私を憎んでいるのかな?
それとも。
私の事は、思い出さない様にして、
生きているのかな?

あの時の君は、
他人の命と引き換えに、自らの生命を永らえ、
大切な人や大切なものを失い、
世の中全てに絶望し、死を願っていた。

だから、私は君に生きる意味を与えた。
それは。
私を憎む事。そして、憎き私に復讐する事。

私は、君に生きていて欲しかった。
君がこの世に執着する理由が、
私への憎しみや復讐だとしても。
君の魂を永遠に失わずに済むなら、
私は喜んで、君に憎まれよう。
そう思ったんだ。

私が君にあげられる最後の愛情が、
君に憎まれてあげる事だなんて。
余りに、残酷な話だけど。
私を…狂おしい程に憎んでいいから。
私が君を愛おしいと想う程に強く、
私の事を…強く強く憎んで。
そして、どうか。
二度と、生きる事を放棄しないで欲しい。

もう、逢う事は叶わないだろうけど。
それでも、願わずには居られない。
…どうか、幸せに。

3/31/2024, 2:40:02 PM