【結婚記念日に】
私の実家には、紙で作られたそこそこ大きめの花束が玄関の棚に置いてある。
濃い桃色のガーベラや赤色のバラ、白や黄色のラナンキュラスにマーガレット、淡い桃色のスイートピー等の花々。
加えて、枝分かれした色鮮やかな緑の葉っぱや白いカスミソウも本物そっくりに作って飾ってある。
去年、実家に帰った時に何気なく父に、玄関の花束はなんなのか聞いてみた。
父曰く、毎年結婚記念日に母と2人で花を1輪、紙で作って花束に足してるんだと。
何で紙なのか追加で聞いてみたら、照れ臭そうにこう返ってきた。
「紙だと枯れたりしないだろ?永遠に枯れないってのは俺達の愛を表してるんだよ」
だって、思わず微笑んじゃった。
去年数えたら、花束の花は全部で34本だった。
そして、今日は父と母の結婚記念日。
実家の玄関扉を開け、玄関に足を踏み入れると、遠くから父と母の仲良さそうな声が聞こえる。
玄関の棚に置いてある花束の花の数を数えたら、全部で35本になっていた。
お題「永遠の花束」完
2/5/2025, 9:20:44 AM