Rutu

Open App

時計の針。カチカチカチと音を鳴らしながらその時は迫っていた。
今日も部活かー。やっぱり先輩いないとモチベ上がんないし記録も伸びない。私立受験間近だからか最近はあんまり会わなくなってきた。私から会いに行く以外はね。
思えば、合唱祭も良い思い出だな。私、放送委員会だったから率先して先輩のクラスの放送になったっけ。本番。今までで一番上手く放送できて、観客席よりも近い舞台袖で先輩の姿を覗いた。先輩は真剣に歌っていた…これが最後の合唱祭だもんね。先輩の姿と聞こえた声は私の中でリンクした。自然と涙が溢れ出し、私は熱くなった胸を押さえた。どうしようもなく先輩が恋しくなって…
窓の外は別世界みたいだな。やっぱり先輩は来ないか。……あ!先輩だ!私は思わず目で追ってしまった。すると、先輩は視線に気づいたかのように上を見上げた。目が離せない。目が合った…気がした。どうか先輩に気づかれていませんように…

高鳴っている胸も好きと思える今も、募っていく想いも…カチカチカチと秒針が進む毎に過去のことへと変わっていく。私はいつになったら先輩の事、諦められるのかな?



読んで頂きありがとうございます。今まで実話を投稿し続けてきたのですが、私の勉学、部活動の関係でしばらく投稿を控えたいと考えています。時間に余裕が生まれ次第、再開すると共に溜まりに溜まった先輩や幼馴染くんとのエピソードを載せていこうと思います。しばしの別れです。また、読んで頂けたら幸いですm(_ _)m

2/6/2023, 10:55:57 AM