Kagari

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花畑

「花畑って聞いてなにが思い浮かぶ?」
「ブルーベル」
「ネモフィラ」
「え、青縛り?」

 順に後輩、弟の答えだ。普通だなーと嘲るつもりはない。ブルーベルのお花畑もネモフィラのお花畑も綺麗だもん。っていうか、意外と花に詳しいな君たち⁈

「言い出しっぺ。お前はどうなんだ」
「臨死体験談」
「オカルトヲタクは期待を裏切らないね」
「褒めてる? 馬鹿にしてる?」
「俺は呆れてるけど後輩はたぶん純粋に褒めてるぞ」

 弟は容赦ない。自分を偽らずに本音を伝えるのはさすがだわ。だてに自由人って言われてない。
 だが、なんで私がそれを思いついたのかをぜひとも聞いてほしい。主張させてくれ!

「臨死体験の話を聞くとさ、必ずと言っていいほど綺麗な花畑が出てくるんだよ」
「そうなんだ」
「生き返った人たちがみんな照らし合わせたように語るからさ、あの世とこの世は綺麗なお花畑で区切られてるんだろうね」
「よっぽど綺麗なんだろうね」
「花で死の恐怖緩和させるつもりなのか? ネモフィラ咲いてっかな」
「カスタムできるといいね……」

 どうやら弟は単純にネモフィラが好きみたいだ。そこはレモンの花って言わないのね。あんなにレモン好きなくせに。

「もしも好きな花が反映されるんだったらなにがいい?」
「…………曼珠沙華?」
「お前もう喋るな」


(いつもの3人シリーズ)

9/17/2024, 12:44:05 PM