#10「光と海底」深い闇の中に一本の光が差し込んだ。薄く息を吹かして、気泡がその筋に沿って昇って征く。上も下もわからないから、どうしようもない。ただ、身体が海底に着くのを待っている──。今、その光の示す方へ泳げば、救われるだろうか。あと少しでも藻搔けば、報われるだろうか。海面を抜けたとき、そこには誰が居るのだろうか、何が見えるのだろうか。 そこに、本当に光はあるのだろうか。 お題:光と闇の狭間で
12/2/2023, 2:28:07 PM