好きな人は青、薄紫
彼が、好きだと言ったから。
彼が、その色を選んだから。
色を選ぶ時私も自然とその色を選ぶようになった。
一目惚れでもしたように、その色から目が離せなくなるくらい、その色以外を選ぶなんて選択肢はなかった。
でも、彼はもう居ない。
私の好きな彼はもう居ない。
そう考えた時に自分の好きな色ってなんなんだろうと改めて思い返す。
なにも、思い浮かばない。彼のいない私の世界なんて、雪舟が描いた水墨画のようだ。
黒と、白で描かれた私の世界。
色をつけてくれていたのは、いつも彼だった。
6/21/2024, 11:32:30 AM