「冷たっ!?」
思わず声が出るほどの衝撃だった。
足に氷が貼り付いたのかと思った。
突如覚醒させられた頭でぼんやりと意識を足にやってみれば、なんてことはない、彼女の足だった。
「なんだ……」
氷ではなかったことに安堵の呟きが漏れる。
ちらりと枕元にあるデジタル時計を見れば、なるほど、外気温はかなり冷え込んでいた。
(道理で……)
彼女は、冬が近づくとこうして自分の冷えた体を人の体温を使って温めに来るのだ。
(もうこんな時期なのだな)
そしてその度に、幾度目かの季節を数えられることを、幸せに思うのだ。
/11/1『凍える朝』
11/1/2025, 1:50:05 PM