郡司

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冬は一緒に…?
鍋物と味ぽん、ニット帽と手袋、モコモコ長靴下とかき集めた毛布、ほっこりできるぬいぐるみ抱き枕や、ジェダイになれそうな「着る毛布」も良い。寒い冬だからこそ、冬しか触れないあったかいものを「良いなあ」としみじみ感じる。

子どもの頃は、冬は楽しいばかりの季節だった。雪遊びとスキーは毎日だった。クリスマスもあるし、お正月にはお年玉。何より冬休みが長めの地方なので、冬の遊びの時間はたくさんあった。

今は、曲がりなりにも「大人」だから、冬という季節にもれなく付いてくる「あれやこれやの心配」が、雪と一緒に頭の中でダンスをする。
車のタイヤを替えなくちゃとか、雪かき道具はまだ使えるかとか、ストーブの灯油買わなくちゃとか、クリスマスも何かしないととか、年越しから正月に必要なものを支度しなくちゃとか、子どもが学校で使うスキー用具のリサイズ大丈夫かとか、もういろいろと。

楽しいこと、嬉しいこと、せわしないこと、財布の中の様子見、除雪作業、みんな「冬は一緒に」やって来る。
そして、無事に冬を過ごせる事実に、自分の持ち合わせが意外と豊富であることに気づく。冬と言うと「枯れてる」とか「眠りの時期」とか、なんとなく消極的なイメージの強い季節だが、生活のボリュームはマシマシになるのが実際のところだ。地上では裸になっている森林の冬の木々も、地中の根で活発に助け合っていることが、最近の研究で確認されている。しかも、同種も異種も関係なく互いにだ。

たくさんある「冬は一緒に」。
私の暮らす街は、やろうと思えば玄関ドアいちまいの外で、山で遭難する場合と同様の環境に飛び込んでしまうこともできる。人間も、自然の者たち同様に生存のための行動を基本軸にする土地だ。だからこそ「冬は一緒」のものの密度が高く、夏よりも凝集した暮らしになる。

そんな環境だから、家の中でも温度を持つものがみしみしと寄り合う季節でもある。子ども達の温みと重量は冬にいつも一緒。素晴らしい寝相からの蹴りをクリティカルに食らったりして、私の眠りはぶつ切りにもなりがちだが、まあ仕方ない…

12/18/2023, 11:19:57 PM