夏の日の午後、部屋の隅に転がったビー玉の入った缶を久しぶりに開いた。「わ、こんなに集めてたんだ……」缶のおかげか埃は被っていなかった。だけど、何処かくすんでいてあのときの輝きとはかけ離れている。「ちょっと! 捨てるものあるなら早く持ってきな!」「あ、待って! 今行く!」プリントやら何時ぞやの学習ノートやらを抱え階段を降りていく。チープな文字で彩られた缶は部屋の片隅に置いたまま。
8/17/2024, 10:11:40 AM