願いが一つ叶うならば
もしも願いが叶うなら
吐息を白い薔薇に変えて
そんな歌があった気がする。
テーブルの上に飾られた自分の気持ちのようにほんのりと枯れた花びらをひとつだけ摘んで、意地悪くプチリと引き離した。まだ離れたくないと言いたげに力任せに引き抜かれた花びらを追うように花は揺れる。
一枚、また一枚と引き抜いてくる、こない、くると花占いをする。すればするほどに虚しくなるこの気持ちをなんとしよう。
ため息は吐息よりも明確に切なさよりも悲しみと怒りと少しだけの憎しみを添えた。
テーブルに散った花びらの数だけ、
もしも願いを叶えられるならば、
ただひとつだけの願いに束ねてこの薔薇を咲き誇らせたい。
終わった時間を認められない心を表すような
諦めて枯れきることの出来ないこの心が、満開の薔薇を咲き誇らせていた時に戻れるように。
3/10/2025, 2:43:26 PM