sairo

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昔から、知りたいという欲は他の子たちよりも強かった。
知らないことを知る度、何でもできるような高揚感があった。それこそ世界を作ることすらできるような気がして、いつからか図書館に通い詰めることが日常になっていた。

その本を見つけたのは、ただの偶然だった。
普段は足を運ぶことのない、心理学の本が並ぶ棚。背表紙を目で追いながら、ただぼんやりと歩いていた。
ふと、足が止まる。同じようなタイトルの並びに、明らかにことなるものが紛れ込んでいるのを見て、無意識に手が伸びていた。
英語、だろうか。読めないアルファベットの文字に、途端に興味が掻き立てられた。
読書スペースまで戻る手間すら惜しみ、その場で本を開く。
無心で文字を追うものの、どのページも何と書いてあるのかは分からなかった。
嘆息し、肩を落とす。
文字が読めないことも悲しかったが、何より新しいことを知れなかったのが悔しかった。
例えば遠い国の伝統や風習。まだ見たことのない景色や知識など、尽きない好奇心が湧き上がり止まらない。文字を一撫でし、これが先日見た古城の話について書かれていたものだったのならと、想像してもう一度深く溜息を吐いた。

3/13/2026, 9:35:14 AM