「バイバイ!」
「バイバーイ!」
「バイバーーーイ!!」
分かれ道
何度も振り返っては姿が見えなくなるまで互いに手を振り続けた
明日も明後日も会えるのに
今日の別れが惜しかった幼き日々
「バイバイ」
「うん、また会おうね!」
「絶対にね!」
別れ際
それぞれ迫りくる未来に精一杯で
中々会えなくなることはわかっていた
それでも絶対と強く言えるくらいには
若かりし日
「バイバイ」
「元気でね」
「うん、会えて良かった」
去り際に
これで最後かもしれない
そんな予感を持ちながらも
そんなことは言わない
気付かないフリをするくらいには
大人になったあの日
「ありがとう」
「…………」
「ありがとうね」
送り際に
物言わぬ人へかけた言葉
二度と会えないことはわかっていても
バイバイとは言えない
言いたくなかった
大人になって随分経ったというのに
どうするべきかわからなかったあの時
2/1/2025, 10:32:42 AM