上からぼたぼたと大きめの音がして、身体にその振動が伝わる。決められた音階をなぞるようであり、耳障りな雑音のようであり、すぐ隣にある肩に触れるたび跳ねる心臓のようである。上を見上げれば傘に当たる雨の雫を確認できるが、見上げれば隣のその人にしか目がいかないだろう。上から降るぼたぼたと大きな音が、どうか私の心臓の音をかき消してくれていますように。“雫”
4/21/2024, 11:00:41 AM