Rutu

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優しくしないでよ…もう。

今日はやっと久しぶりの部活があるんだ。みんなとまたくだらない話をして笑い合えるんだ。

「なぁ、見て。技術室で拾った 笑」

「え、なに。見して見して…え、これ1年のじゃん。ヤバイヤツの 笑笑」

とても心地の良い笑い声だ、誰だっけ、この人。私から15cmくらいの位置に幼馴染くん。久しぶりかな、この距離感。いや、いつもか笑。でもこんなに近くにいたら誤解されるに決まってる。でもそんなこと気にせずに笑える君に少し腹が立った。

「ロリコン (ニヤ)」

「は、はぁ!?」

君に構ってる暇なんか…な、ないんだ…嘘です、あります。
友達と次の教室へ移動する。

「ロリコンじゃねぇし」

私のすぐ横を通って行った君の匂いが一気に広がる。

「…ば、ばーか」

甘い匂いが私の顔をほんのり赤く染めていく。



「昼休みだァ!」

そう言って私は教室を飛び出す。あ、幼馴染くん!?君がホールに出してある机で課題をしている。お互い休んだクセに先生に提出してなかったのかよ笑。それでも君は男子からの人気者だから私が話しかけるなんて出来るわけない。だから女子と絡みに行く。あーまた男子が…。あ、今1人だ。あぁーまた来た男子ィ…。その子は私のこと知ってるから

「あ、察し (ニヤ)」

ドンッと力強く押されて私は君の元へ。

「わぁっ!?」

「っ!?…びっくりした」

「ご、ごめん 」

この沈黙に耐えきれず私たちは笑いだした。

「君って結構真面目?」

机に顔を近づけ覗くようにワークシートを見る。

「わっかんねぇもん。答え見てるし真面目じゃねぇよ笑」

君の匂いがじんわり広がって肺いっぱいに染み渡る。そのあまぁい匂いに君が動かすシャーペンの音。君がワークシートを見つめる顔に私は見とれる。じぃーっと君のことを無意識に見つめてしまう。

「なぁに、なんかあった?」

ニヤリと私に向き直る君に色気が増す。そんな歳でもそんな性格でもないのに…私はまた熱が上がる。そんなに…優しくしないでよね。今くらいならバレないかと私もまた君に少しだけ近づく。心の距離がまた縮まっていく。

5/2/2023, 11:09:28 AM