液晶上部に緑色のアイコンが数件、並んでいる。我が物顔で鎮座するそれを消す気になれないまま、すでに三日が経ってしまった。三日間で、いくらかたまってしまった同じ顔したアイコンは、急かすようにこちらを見ている。
通知を埋めたその人は、普段あまりメッセージを送ってこない相手。つまり、この通知は希少価値が高いのだ。……なんて。
「……あなたのことが好きです」
言葉を投げ付けるように乱暴に思いを告げて、気付けば三日。返事は聞いていない。告げる時間を与えなかったのは何を隠そう、自分自身だ。あれから会ってもいない。避けているのも、何を隠そう、自分自身なのだから。
この緑のアイコンをタップして、そうしたら、自分はどうなってしまうのだろう。開いたその先に答えがあるのかどうかはわからない。漠然とした恐怖に震えながら、心の片隅で期待に震える矮小な自分がいる。
ああ、どうしようもなく吐き気がする。
自分勝手なくせに半端に見返りを求める己の浅ましさを疎ましく思いながら、スマホは変わらず強く、手に握り締められた侭。
今日も、LINEは開けそうにない。
テーマ「開けないLINE」
9/1/2024, 11:35:42 AM