紅葉の落ち葉で赤く染まった道を、買ったばかりのワンピースと白いブーツで進んで行く。
彼と別れてから半年が経った。共通の知り合いによると彼はけっこうダメージをくらっていたらしく、今も恋愛には乗り気ではないようだ。まあ私から別れを提案したからそりゃそうか。
彼がくれた思い出の品々は、紙袋に詰め込んでガムテープで固く封印した後、油性ペンで特級呪物と書いて物置部屋の奥深くに放り込んだ。
最初は実用的なものは残しておこうかとも思っていたけど、今は全て物置部屋に永眠させた。
だってもう必要ないもの。彼が「似合ってる」と言ってくれたものがなくても、じゅうぶん可愛くなれるもの。
自分が選んだもので可愛くなって、自分で自分を笑顔にしたい。
今日のファッションは完璧だ。特にブーツの白が赤い紅葉に映えて、最高におしゃれだ。
高級感溢れる赤い絨毯の道を、得意気に進んで行った。
11/26/2025, 12:57:34 AM