薄暗く、あちらこちらに物が散乱した、狭苦しい部屋。
足の踏み場なんて無くて、凄く歩きずらい。
食べ物の残骸が、脱いだ衣服が、乱雑に散らばっている。
そんな部屋には何時も、カタカタと言う無機質な音だけが響き渡る。
さぁ、今日も広い光の世界に飛び込もうか。
:解説:
彼は外の世界に、あまり馴染むことが出来なかった。
その為、ある時から部屋に引こもるようになった。
生きる希望なんてなくて、部屋もそれに比例するように汚くなって行った。
けれどそんな彼にとっての唯一の居場所は、知らない誰かと繋がれる、ネットの世界だけでした。
---二作目---
暗い暗い、牢獄の中。
ポチャリ、ポチャリと、水滴が不規則に落ちてきて、冷たい牢屋の中に響く。
寒くて、寒くて...寂しくて。
只々、牢屋の隅で膝を抱えることしか出来ない。
...でもこれは、仕方ない事。
俺が、父様の期待に応えられなかったから。
俺が...価値の無い惨めな奴なのがいけないのだ。
だからこうなってる。そう、全ては何も出来ない自分の自業自得なのだ。
そう自分に言い聞かせる様に、唇を強く噛み締める。
...泣きたい。
辛い。
泣きたい。
でも出来ない。
泣いてはいけない。
怒られるから。
「うるさい」と「静かにしろ」と殴られるから。
また怒鳴られるのは嫌だから。
もう、生きてる理由なんてない。
死ねることなら死んでしまいたい。
だって俺が死んでしまっても、損をする人は居ないから。
...でも死ぬことは怖い。
今はこの臆病な自分が、そもそもこんな事になる要因を作った価値の無い自分が、心底恨めしい。
嗚呼、どうやったら俺は、この苦しさから解放されますか?
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ガリゴリガッシャーン!!!!
暗がりの中、突然光を与えてくれたのは--
「......お前、大丈夫か...?」
綺麗な青い髪を持つ、綺麗な青年だった。
#暗がりの中で
103作目
10/28/2023, 11:08:43 AM