後悔
『なぁ。傑、過去一後悔した出来事ってある?』
とクラスメイトが聞いてきた。
何となく、聞いてくる理由は分かる。
先ほどの作文のお題が、【後悔】だからだ。
俺は其奴の質問に無関心だったが、其奴は何回も聞いてくる為、俺は諦めて話をしてやる事にした。
俺は前世の記憶がある。
『はぁ?』って思うだろ?俺も最初は信じなかった。
だけどさ、本当にあったんだよ。
俺はとある国の総統だった。負け知らずの知らずの国だったな。ある日の事だった。A国から挑戦状?みたいな物が届いて、戦争する事になったんだよ。
戦争していたが、A国には“最終兵器”って言う“人”がいたんだよ。
その最終兵器は俺の“婚約者”だったんだよ。
まぁ…長くなるから端折るぞ。
戦争には勝った。『婚約者はどうした?』って?
まぁ待て。順番に話すから。
婚約者は自国で保護したよ。
しかし、目を話した時にはいなくなっていたよ…。
探した。やっと見つけた時には、もう…。
婚約者の傍には、手紙が落ちていた。
ん?内容?教えないぞ?思い出すと、辛いからな。
簡単に言うと、俺に宛てた手紙だ。
「そこからは、もう記憶が曖昧だから適当なことは言えない。だからもう聞くな。」
俺がそう言うと、クラスメイトは『えぇ〜』なんて言うけれど、俺が睨むと黙った。
「ほら、早く書かないとお前はやらないだろ?」
クラスメイトは渋々書き始めた。
俺の前世は本当に、《後悔先に立たず》だったな。
そう思いながら、窓の外を見た。
丁度、銀色の髪を靡かせた女子が通った。
目元が見えたが、目のところに縦に傷が入っていた。
そういえば、“銀歌”にもあったような。
俺は慌てて教室を飛び出した。
確かめたかった。“銀歌”かどうか。
別人や覚えてなくてもいいから…。
今度は後悔なんてしたく無いから。
5/15/2024, 11:31:27 AM