川柳えむ

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 辺り一面の紅葉に顔も上気する。あまりに見事な光景で、子供ながらに、これが美しいと呼ばれるものなのだろうと理解した。
 両親が呼んでいる。
 そちらへ向かおうと一歩踏み出した。
 次の瞬間、風が吹いて木の葉が宙を舞った。視界が紅く遮られて何も見えなくなり、その場から動けなくなる。
 徐々に風は収まっていき、視界が晴れていく。
 次に目にしたのは、知らない男と、その場に倒れた両親と、ただただ美しい紅に染まった世界だった。


『紅の記憶』

11/23/2025, 3:03:28 AM