"君に会いたくて"
ずっと君が夢に出る。
話はしない、私が見るのはいつも君の後ろ姿
君の名前を呼ぶ。
けれどもいつまでも振り返ってくれないものだから
脚を必死に動かして、君に追いつけることを願う。
けれども夢はやはり夢で、柔らかな地面に掬われて駆け出すことさえ許されない。
君の名前を叫ぶ。
君の顔が見たいから、君の声が聞きたいから
喉と肺を必死に震わせる。
やっと、振り向いてくれた
そこで目が覚める。
結局、いつも君の顔は見えず仕舞いになってしまうんだ
白んでいく朝日を見つめても
満月の夜に雨に打たれても
黄昏時の烏に驚いても
凍える朝に暖を求めていても
君がずっと頭の中にいる。
君は、私にどうして欲しいのかどうなって欲しいのか
頭を捻ってみれば一つ、浮かんだことがある
__そうだったんだ
思いついたが最後、ドタドタと走り出し玄関の戸を乱暴に開けて、鍵などかけずに走り出す。
__遅くなってごめんね
走って、走って、転んで、脚が痛くなった
けれども走ることをやめるのは許されなかった。
__私たちは
見えてきたのは一つの防波堤
__ここで会ったんだったね
思い出がポツポツと思い浮かんできて、堪えず頬が大きく歪む
__やっと、追いつけたよ
目の前が、滲む。
__君にずっと会いたかったの!
君の手を取って、抱き寄せて。
私は二度と君を追い、駆けられなくなった。
1/19/2026, 10:20:29 AM