千明@低浮上

Open App



この開けた場所でレジャーシートを広げて彼がくるのを待っていた。

『付き合ってくれるなら、今夜19:00、丘の上に来てください。』

仰向けになって空を見上げる。
もう20:00を過ぎた。
彼は来なかった。

暫くするとキラキラと光る筋が夜空の奥からこちらへ迫ってきて消えた。
これを皮切りに次から次へと星たちが光りの尾を伸ばしている。
流れ星ってその名の通り、本当に流れるんだ。
綺麗....。
もし彼が来てくれたなら2人で見よう、なんて思ってたのにな。



願いが叶うと言うのなら、消し去ってくれないだろうか。
この胸の痛みを、楽しかった思い出も、何もかも彼に関する事は全部。
最初から無かった事になればいいのに。
告白なんてしなければよかった。
流星群が終わりを迎えるまで何度も、星が流れるたびに1人そう願った。



#星座

10/5/2022, 1:10:57 PM