死んでしまったらどこに行くのだろうと、そんなことを考えたことがある。でもユートピアにいる今となってはもう死んだなんていう事項は残念ながら訪れないのかもしれない。
そんなことを思っていたある日、演奏者くんが元天使様であるということを知った。
「……………………マジで?」
「ああ、そうだ」
とくに驚くべきことでもない、なんて言うふうに彼は言った。
「……死んだ人もそこにいるの?」
「…………いや、そんなことは」
「…………え?」
「死んだ人はまた別のところに行く。別に僕らが住んでいた場所が人間としての終点ってわけじゃない」
彼はそう言って笑った。
「でも、きみは例え人間だったとしても僕の住んでいた場所まで連れていくよ。そうしたいと、思ってるから」
8/10/2024, 3:54:25 PM