※何か…プラトニックですが百合気味です。すみません…。
『やさしい嘘』
「嘘に、正しいとか優しいとか、あると思う?」
ロゼから不意に投げかけられた問い。
なかなかの難問だ。
「どうだろうね」
リリは首を傾げる。
「まあ……あるかも?」
それはロゼの望んだ答ではなかったのだろう。ロゼはわずかに口を尖らせた。
「どんな?」
「んー」
急にふられた問いだ。ぱぱっとシチュエーションが思いつかない。思考をフル回転させて、
「んんー……」
思いつかない。
「そうだなぁ、『太ったかも!』って云われて『そんなことないよー』とかそういうの? なら、優しい嘘かも?」
無理やり捻りだした。それもロゼのお気に召さない。
「それ、優しいかなぁ?」
「思いつかないよ、急に云われても……」
リリは困ったように首を振った。
「つまり、普通にはないってことだよね!」
「んー、んんー、そう決めつけるのもどうかなぁ……」
云いながらロゼの表情に気がついた。
「うん、まぁ、でも、そうかもね。ないのかも?」
得たりとロゼは笑った。
ロゼにはやっぱり笑顔が似合う。
大事なお友達。笑顔でいてほしい。
そんなロゼの笑みにリリもつられたように笑みをこぼした。
◆◆◆◆◆
正しい嘘。優しい嘘。
ほんとは、あると思っている。
そんな嘘をリリはいくらでもついている。
ロゼは大切な友達。それはそう。だけど、それ以上に自分はロゼを想っている。
だけど潔癖なロゼを困らせたくないから。
そう、きっとそれは隠さなきゃならない恋だから。
いつもついている、常習性の優しい嘘。
1/24/2025, 10:38:40 AM