煙花三月

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最後にわたしの名前を読んだのは、誰だっただろうか。いつだっただろうか。

半年前に母が送ってくれた葉書の宛名を見ながら、わたしが誰であるかを久方ぶりに認識した。夏至が近づいたら、また母は手紙を寄越してくれるだろうか。
母からの葉書が途絶えたら、わたしは何になるのだろうか。
ふと顔を上げると、"ペルシア産の猫の如く黄を含める淡灰色に漆の如き斑入りの皮膚を有している" 野良猫がこちらを見ていた。


7/21/2023, 12:04:50 AM