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暗がりだ。足元も見えない暗闇。いつも歩いているはずの帰り道が、今日は何故か一層黒に染まっていた。
それもそのはずだ。自分の将来がまるで明るくないからだ。
就活を初めて半年。年も明けたというのに未だ内定は貰えていない。
秋が暮れて見えだした焦りもここまでくると、まるでゲームの無敵状態のように全てが怖くなくなるんだな、と自嘲する。

そのはずだった。だけど何故だろう、今になって暗い夜道に恐怖を覚えるのは。
視界に映る街灯の光がまばらに散ってプリズムを放つのは。
一吹きの風が目頭を急速に冷やしていく。


「明日に向かって歩く、でも」

1/20/2025, 10:39:58 AM