語り部シルヴァ

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『たまには』

猛ダッシュも無駄になり、
ホームに着くやいなや電車は走り出してしまった。

この電車で帰らないと家に着く時間が少し遅れる。
少し。この違いが私にとっては大きい。
しかし行ってしまったものは仕方ない。
諦めてホームの椅子に座って待つことにした。

「あれ、先輩お疲れ様です。」
声をかけられて顔をあげると後輩が立っていた。
「珍しいですね。ホームで会うなんて。」
どうやら帰りの電車が一緒だったようで、
後輩は気づいてなかったらしい。

「こっちの電車ですよね?
一緒に帰れるなんてなんだか嬉しいです!」
先輩に可愛がられるタイプの後輩だから愛嬌がある。
...疲れていた気分も少し楽になるくらい。

こういうことがあるなら、
たまには1つ後でも悪くないかもしれない。

語り部シルヴァ

3/5/2026, 10:54:07 AM