星明かりに照らされた道を歩く。
夜が現実をぼやかしているとすれば、星はそのぼやかされた現実を少しだけ明るくしてみせてくれる。
星が瞬いているのか、わたしが瞬きしたから星が瞬いてみえたのか、実際に目を閉じている間は確認ができないため、自分だけではこのうちのどちらかなのか確かめられない。
そんなくだらないことの答え合わせをしてくれる人が近くにいる幸せが、ぼやけた現実にもあるんだってわかったら、ずっと夜が続けばいいと思ってしまう。
だけど、朝が来て、昼になって、夜に戻る。毎日、日の出と日の入りがある。だから、夜は夜たらしめることができる。
星明かりの下に立ったときは、夜がぼやかした現実を手のひらに乗せて、星明かりに当てると、化学反応が起きて、少し明るいエネルギーが生まれる。
きっと明日も、少し明るい夜がまたやってくる。
__________________________________星明かり_____。
4/20/2025, 2:53:52 PM