流星への願いは、ひとつ。
「オレを、消せ」
その願いは、少し歪んで叶った。オレは、透明人間になったのである。
意識も消してくれよ。存在を消してくれよ。
特にしたいこともないので、オレは、おまえの後ろを歩く。
すぐに分かった。オレのことを捜してるって。
でも、見付かるはずがない。なんせ、オレは透明だから。
毎日、毎日。おまえは、オレを捜す。
いくら、おまえが名探偵でも、流石に透明なオレを見付けるなんて無理だろ。
そう思っていた、ある日。
「そこにいるのか?」
虚空に向かって、おまえがそんなことを言うもんだから、幽霊みたいになったオレは、元から色のないそれを、両目からこぼした。
4/25/2023, 10:16:12 AM