バイクの後ろに乗りながら何の気なしに空を見上げる。
先ほど完遂してきた任務には似合わないほど綺麗な青空だ。
「なーんか辛気臭いこと考えてんだろ」
エンジン音に負けないくらいの声量が前から聞こえる。
私の顔を見たわけでもないのに、この男は人の変化に敏感だ。
「別にそんなこと」
考えてないと言えば嘘になる。
声には出さず彼の腰にしがみついていた力を強めると肯定と捉えた彼はこちらに顔を向けることなく笑ったような気がした。
「なぁ!このまま遠回りして帰ろうぜ」
赤い髪を靡かせながら悪い顔をして笑う彼と目が合えば先ほどのモヤついた気持ちなんて何処かに消えていった。
-どこまでも続く青い空-
10/24/2024, 9:45:54 AM