紺色

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やっと、やっとだ。

私は今日、地獄から解放される。

たった一人を殺しただけで約一億年も苦しめられた。

この地獄から。

今となっては全部が愛おしくさえ思える。

ああ、地獄の皆もさようなら!

名前も知らないようなやつらだったけど、お前らのおかげで孤独ではなかったよ!

あとは勝手に苦しんでくれ。

あぁ、楽しみだなぁ!

早く早く。

早く早く。



気付いたときには目の前にあのにっくき閻魔大王が座っていた。

「お前は今日から別の場所に行ってもらう」

「別の場所とは?」

「話を遮るな!!!」

「…ごめんなさい」

「ごほん!さて、準備をしろ」

「準備?」

「………話を遮るなと言ったよな?」

「……すみません」

「お前には別の世界に生まれ変わってもらう」

「生まれ変わる!?…ぁ」

「ん゙ん………そうだ。お前より酷いことをする親のもとに行ってもらう」

「え?天国に行けるんじゃないんですか?」

「お前の罪滅ぼしはまだ終わっていない。それと、終わったからといって天国に行けるわけではない」

「え、あんなに苦しい思いをしたのに?」

「お前は自分の罪を覚えているか?」

「人殺しでしょ?」

「…そうだ、分かっていて、本気で言っているのか?」

「一人だけだし」

「……はぁ、もういい、おい!!こいつを親の元に送れ」

「ちょっと待ってよ、そんな急に」

「最後に、こんな地獄よりも、もっとつらい思いをすると思うぞ」

「はぁ?」


                              昨日と違う私

読んでくださりありがとうございました。

地獄の設定とかも完全に私の設定です。

5/23/2025, 10:01:11 AM