: 雫
青空の下を走らせる先に
爽やかな緑が広がる
バイクの音が華やかにキレ
風を裂き一体化する
いつも立ち寄る社に止め
一息つくことにする
ここに来ると心が落ちつく
深呼吸しながら空気を感じていると
消え入りそうな声が聞こえてきた
周りに目を凝らすと
小さく震える体があった
子猫だ
辺りに母猫の姿はない
きっとはぐれてしまったのだろう
そっと手を伸ばし、ゆっくり触れると
震えながらも頬を寄せてきた
一人で怖かったよな
もう大丈夫、一緒に帰ろう
安心したのか、僕に預けるように
体を小さく丸めた
僕たちの新しい生活が始まった
君は今日から、月野 雫だよ
ミルクを顔いっぱいに飛ばしながら
名前が気に入ったのか
ミャ〜っと嬉しそうに笑った
桜月夜
4/22/2026, 6:33:48 AM