とある恋人たちの日常。

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 夜空を見上げるとどうしても恋人を思い出してしまう。と言うのも彼女の名前には星をイメージする言葉が含まれているからだ。
 
 無邪気で、少し天然も入っていて、笑顔が愛らしくて……いや、これは惚れた弱みかも。
 
 夜の中に宝石を散りばめたような夜空はきらきらと輝いていて綺麗だ。
 
 うーん。
 名前で彼女を思い出すのもあるけれど、彼女の瞳もきらきらしているから、そっちもあるのかな。
 
 きゅっと繋いだ手に力を入れられて、俺は視線を送ると星のようなきらきらした恋人の瞳が俺を捉えた。
 
「どうかしましたか?」
 
 星空に心を奪われた俺を不安気な声で引き戻す。
 白い肌にほんのりと赤い頬。あどけなさの残る表情。少し開いた桜色の唇。そして綺羅星のような瞳。
 
 もっと明るいところで見るのも良いんだけれど……。
 
「きれいだなって……」
「へへ、ありがとうございますっ!」
 
 星明かりの下で見る恋人は、いつも以上に……ときめいてしまうのに、この笑顔は反則でしょ。
 
 やっぱり、惚れた弱みだなと苦笑いしてしまった。
 
 
 
おわり
 
 
 
三三九、星明かり

4/20/2025, 1:43:01 PM