《いつかまた巡り会えるならば》
(刀剣乱舞/小夜左文字)
「やめろ!!」
あの日、自分の本体を見知らぬ盗賊に奪われ、斬り殺された女性と残った幼子。
手を伸ばしても掴むことが出来ず、この汚れた手に掴まれて持ち去られた自分自身。
その瞬間から、小夜左文字の心はどす黒い復讐の心に染まった。
けれども付喪神の力では、男を殺すことも出来ない。
「あの子に会いたい....」
あの時残された幼子を探しに出る事も出来ない。
心は荒むばかりで、真っ暗闇の中を歩いているような日々だった。
ただ。願うならば。叶うならば。
どうかまたあの子に会って、「ただいま」を言いたい。
「神か仏が見ているなら、どうかあの子とまた巡り会えるようにしてよ....」
これは【小夜左文字】が生まれる前の、名も無き左文字の短刀だった頃の記憶の話。
10/3/2024, 11:45:30 AM