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私は何度目か分からない同じ夢をみてる。
私何者かにおわれて
逃げて出すと背後から頭を固いモノで
殴られる夢をみてる。
それはとても現実にあるような夢。
妙にリアルで怖かった。

夢はいつも殴られて終わる。
起きた時,私の心臓はバクバクと激しい脈を打っていた。

最近は背後から声をかけられると
怖くて異常な反応をしてしまう。
友達は面白がって何回もやってくる。
いい気分になんかならないのに
引きっった笑顔を見せて私も笑う。

彼が綺麗なネックレスをくれた。

「付けてあげる」

彼はそう言って私の背後に回った。
彼がそんなことするはずがないのに
無意識に警戒してしまう。

「似合ってるよ」
そういう彼の声と同時に
私は

“殴られなくて良かった”

そういう思いが最初に出てきてしまう。
私は夢に狂わされていった。

「このネックレスかわいいね。ありがとう。」
そういった私の顔は上手く笑えていただろうか?

彼が家まで送ってくれるんだって。
最後まで一緒に居れるの嬉しいはずなのに...。
引きっった笑顔が悟られないように
薄暗い街灯が照らす道を2人で歩く。

「最近疲れてる?」
彼がこっちを見て言う。
「少し,最近変な夢を見てて」
私が言うと大丈夫?
なんて心配してくれてるけど

“くだらないことでよかった”

そう思われてるんだろう。
彼が思っていなくても
今の私にはそう思われているようにしか
聞こえないのかもしれない。

私はいつこの夢に終止符を打てる?
私の現実にまで夢を侵食してこないで。





─────『夢と現実』

12/4/2022, 9:23:26 PM