これは、永遠に続く道。
終わることのない物語。
僕は罪を償い続け、その道を歩んで行く。
右、左。右、左。
踏みしめる道の静けさ切なさ。
あすこに見える綺麗な霧は、
僕を惑わす為の罠。
あれに捕まると、もう戻れない。
脇目も振らず何も考えず。
右、左。右、左。
それでも時たま、あの霧に包まれるのも悪くないと考える。
一人きりの暗闇に、耐えきれなくなる。
この道を延々と進んだところで、何になろうか。
僕が自らの罪を悔い改めたところであの子が救われる訳でもないのに。
馬鹿々々しい。
頭を振る。また歩み出す。
右、左。右、左。
何故かそれだけで身体は前に進む。
確かに刻まれる皺。
それは宇宙に続く道。
未来を告げる、砂の声。
右、左。右、
お題『終わりなき旅』
5/30/2024, 10:37:47 PM