四片

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〝ずっと隣で〟

隣の席のあの人は、いつも本を読んでいた。
何読んでるの?なんで聞くと、
いつも嬉しそうに答えてくれた。
席替えがあっても、いつも何故か隣で、
またお隣さんだねって、笑い合ってくれた。
いつしか恋に落ちて、
あの人の一挙手一投足に目を奪われていた。
ずっと隣で、一緒にいられると勘違いしていた。
いや、そう思い込もうとしていた。
関係が変わるのが怖くて、告白出来ないまま、
月日は流れていってしまった。
卒業のとき、あの人に告白した。
返事はいいって言ったけど、
なんでもっと早くに言ってくれなかったの、
なんで自分から言い出せなかったんだろうって、
好きだよって、そう言ってくれた。
社会人になった今も鮮やかに覚えている大事な思い出。

3/14/2024, 7:11:18 AM