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『永遠の花束』

 私は自分の部屋の扉を開け、中へ入る。

 枯れない生花なんてこの世には無い。現実に魔法なんて無いし時を戻す、止める、その他花を復活させられるような能力は無い。

 机に向かって歩き、その上に置いてある一輪の花に軽く触れる。
 
 彼から貰ったこの花も、いずれ枯れる。それが悲しくもあり、枯れたらまたプレゼントしてくれるかなというこの花に失礼な事も考えてしまう。ごめんね、エリザベス。

 彼は花束を渡そうとしたが花屋に目的の花が一輪しか無く、どうしてもこの花から変えたくなかった彼はこの一輪だけ買ってきたらしい。

 頑固、というか。そうと決めたら一途であるところが私も好きなので微笑ましい。

 花が一輪でも、私と彼の想いだけで幾らでも変えられると思っている。

 何を言っているんだと言うと思う。私も少しそう思ってるから。

 この花にはきっと、花束よりももっと綺麗なものが詰まっているから。

 他の人達、もしかしたら彼もかもしれないけど、この花は一輪しか無い。

 でも私からすればこの花は枯れても心に残り続ける『永遠の花束』だから

2/4/2025, 2:39:49 PM