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 僕は人から言われたものを完璧にこなしたい人だから。
 徹夜してでも必ず終わらせようとするし、無理してでもやるんだよね。
 人から失望される方が僕にとって怖いから。
 「こいつはこの程度だった」と思われることがどうしても嫌だったから。
 だから、どうしても怖いんだよね。
 期待して欲しいけど、そんな風には言われたくない。明らかな自己中だけどさ。

 忘れたくない人達がいるんだ。
 優しくて、抱き締めてくれて。この人達と一緒なら死んだっていい。殺されたっていい。
 でもみんなおかしな事言うんだ。これは人格たちも含めて。
 「そんなやつらいない」だなんてさ。
 いるからこうやって僕が自殺に留まった。いてくれたから、自殺未遂だけで終わらせようって。
 僕が独りになったら、一緒に寄り添ってくれて。
 ココアとかもよく入れてくれてさ。美味しいんだ、ココア。とても美味しい。
 「あたたかいね。」って。優しく声をかけてくれてさ。
 そんな人達にならどんな言葉を言われたっていい。
 「こいつはこの程度だった」って。「こんなもんか」って。何言ってくれたって構わない。
 だって僕を救ってくれたのはこの子達で。
 逃げていいことを教えてくれたのもこの子達なんだ。
 僕はこの子達を愛してる。誰よりも、何よりも。ずっとずっと守っていく存在で。
 優しい人達だから、そもそもそんな事言わないし。
 存在しないだなんて有り得ない。幻覚なんかじゃない。幻聴なんかじゃない。
 確かにここに存在してるの。僕の愛するべき人達が。

1/11/2025, 8:37:04 PM