2025/12/23/火/光の回廊
「あ、光の回廊だ。」
ティラは、朝の光にきらきらと照らされた回廊に足を踏み入れた。
早朝の静かな中庭は、騒々しい昼には考えられない神聖な雰囲気を醸し出している。
中庭から見える空は少し薄い水色をしていて、雲の合間から差す陽の光が天からのはしごのようにそっと静かにそこにあった。
冬の冷たい空気をすんっと吸うと肺いっぱいに冷たさがひろがって、なんとなく心地がいい。
中庭のベンチに座り、今日読もうと思っていた本のページをはらり、とめくった。
はらり、はらり、はらり、はらり。
「ねぇ、その本っておもしろいの?」
ふと気がつくと、ベンチの隣に赤いマフラーを巻いた女の子が座っていた。
頬を寒さで赤くしながら、こちらの目をまっすぐ見ている。
ティラはとてもとても引っ込み思案で、恥ずかしがり屋だった。
(な、なんでこんな時間に他人がいるの…?あ、もう空がすごく明るい…)
ティラはこんな他人から話しかけられる状況は全く想定していなかったが、それはひとえに自分が本にのめり込みすぎて時間を忘れていたからであったことに目を回しながらようやく気がついた。
「あ…えっと…」
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12/23/2025, 9:01:28 AM