蓼 つづみ

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ねえ、ちいさな君。
そこで膝を抱えて、まだ震えてるんだね。
わかってる。ちゃんと見えてるよ。

「相手が未熟だっただけかも」
「仕組みが悪かっただけかも」
「私が気にしすぎただけかも」
そんな言葉で、何度も君を黙らせて来てしまった。

でもね、今日はもう少しだけ、
その説明たちを外に置いてみよう。

ただ、
「痛かったね」
「軽く扱われた気がしたね」
「大切なものが、また少し削れたね」
それだけを、ここに置いていい。

正しさの水に溶かさないで。
理由の布で包まなくていい。
そのままの形で、ここに置いておこう。

ねえ、ちいさな君。
それは弱さじゃないんだよ。
むしろ、折れなかった芯のかたち。
まだ自分を見失っていない証。

だから…
すぐに立ち上がらなくていい。
理解者になろうとしなくていい。

私はいま、
君の尊厳を、説明より先に抱きしめ直してる。

「大丈夫だったこと」に書き換える前に、
ちゃんと「大丈夫じゃなかった」と言える場所を作ってる。

ねえ、聞こえる?
君の痛みは、消されるために生まれたんじゃない。
君の尊厳は、証明が必要なものじゃない。

「君」は、
私の中にある本当の気持ち。
迎えに行きたい私も本当。
でも、君を庇うことが簡単じゃない現実も、
同じくらい本当なんだ。

ごめんね。
迎えに行ける日が来るなんて、
いまは約束できない。

もしかしたら、
一生たどり着けないのかもしれない。

それでも、
忘れない。
見捨てない。
ここに居ることだけは、やめない。

残酷だけど、
それでもなお
そこで、待ってて。

題 待ってて

2/13/2026, 12:31:53 PM