帽子かぶって
寒さ、暑さ以外ではファッションであったり使用理由は様々。
俺は顔を差されるのが嫌なので着用しているが、彼は気にしない。
マスクは流行り病に向けてのものではある。
その為顔が、見えない。
深く被った帽子のお陰で今日の寒さも耐え凌げる。
こっそり見ている視線にも気付かないで、何をしようか何を食べようかと周囲を見回す。
(今日は、家でゆっくりしたい…なあ)
包まれる安心感からか眠くなって来たものの、流石に出掛けたばかりで帰ろうとは言えない。
俺も何か提案しようと顔を上げた時、一気に視界が開けた。
「帰ろっか」
帽子を少しだけ上げられた視界一杯に見えた瞳に息を呑む。
答えるより早く、踵を返した長い脚。
慌てて隣に戻りながら深く被り直した。
(寒、……いや、暑いわ)
1/28/2025, 12:02:03 PM