書く習慣:本日のお題「無色の世界」
利き手に傷を負ってしまい、何もかもが不便になった。
まさに無色の世界である。
逆の手でぎこちなく口に運ぶ食事が、ものすごく味気ない。ふだん何気なくやってのけている「食べ物をこぼさず、皿から口まで運ぶ」動作は、非利き手になるだけで難易度が跳ね上がる。
まず、箸が持てない。ようやく箸を持てても、一口分の適量をつまんで口へ運ぶまでに取り落としたり食べこぼしたりと、何らかのエラーが起こる。
もしも私が「記憶を持ったまま生まれるところからやり直す系」の転生主人公だったら、幼少期の自分の手先の未発達ぶりにイライラして、やり直しならではの無双を楽しむ余裕などなかっただろう。そんな調子では食べ物を味わうどころではない。
もちろん食事の支度もままならないので、宅配弁当やUber Eatsをフル活用している。片手で買い物するのが億劫で、コンビニすらも行く気になれない。箸でのイライラを回避すべく、選ぶメニューはスプーンとフォークで食べられる親子丼やステーキが定番になった。
なお、非常に行儀が悪いが、サラダは手づかみで食べている。まあまあまあまあ、中世ヨーロッパの王侯貴族も手食だったそうだし、人前でやらなければセーフだろう。こうしてネタにもなるし、非優位手で箸を使ってストレスを溜めるより生産的だ。
ただし、ドレッシングが垂れるとたいへん不快なので、味付けは液体ではなく塩にした。「通は塩で食べる」みたいな風潮があるので、私も期間限定でサラダ通……いや、身の程をわきまえて塩派と名乗っておこう。
回復を早めるために睡眠をとってみた。
傷の部位を動かさないようにずっと庇っているので、朝目が覚めると全身がこわばっている。寝違えLv.8といったところだ。ガチの寝違えは鋭い筋肉痛であり、特定の筋肉を使う仕草に連動して痛むLv.9や、そもそも全く動かせないLv.10などがある。今回は寝違え特有の鋭い痛みはなく、鈍くて強い痛みと疲労感だから、多めに見積もってもLv.8だ。
体の凝りや疲れを解消しようとストレッチを試みるが、傷口が引っ張られる気配がして秒でやめた。ちなみにお風呂に浸かるのも禁じられているので、私が思いつくリラックス方法はすべて封じられた状態だ。
ここで真打登場、困った時のGemini先生である。
・傷のある部位を、クッションや丸めたタオルなどに預ける。筋肉に「自力で庇う」のをやめさせる。
・患部から遠い場所を温めて血流を改善し、全身のこわばりを解く。
・ストレッチはダメでも、傷に響かない範囲で「数秒だけ筋肉に力を入れ、脱力」を繰り返す。いわゆる「筋弛緩法」。
・腹式呼吸で深呼吸してみる。
どこかで聞いたことのある対処法だが、今の「寝違えたみたいでつらい、ぴえん(死語)」な自分だけでは辿り着けなかった情報である。Gemini先生様々だ。
そんなわけで、利き手を封じられて不便な生活でも、Gemini先生の助けを借りつつネタを探してみれば、案外色彩豊かな世界であったことが判明した。
4/19/2026, 12:07:20 AM