さっくん

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~神様だけが知っている~


私は勢いよく走った。
段々と近づいてくる例の屋上に

そこには立ち入り禁止のマークがあろうとも
スピードは落とさなかった。

扉を開けると
黒髪の優しいそうな男の子がいる…のだが
それは表面だけである。

男は言う
「おせぇーよ」

生意気な口調が
私をイライラさせる種になるけど
そこがまた
私の性癖にささるのだ。

「ごめんっ!」
私は謝るフリをしても

笑いながら許してくれる
爽やかな笑顔が私の好きになった
理由でもありキッカケだ。

「買ってきたか?」

『もちろん!』

「おっ!これこれ!!」

『好きだねぇ~!』

「うん…大好き」

私は顔を赤らめた…
パンの話なのに貴方から聞く
大好きという言葉は私の心をドキドキさせる。

「なんだよ
気持ち悪い顔しやがって」

私は自分のアホずらに
嫌気がさしてしまった。

男は笑いながら
「本当にブサイクだな~!」

『失礼よっ!!』

「そうですか~」

私は用が済んだので
教室に戻ろうとしたが
声で私を止める。

「え?食っていかないの?」

『逆にいいの?』

「いいんだよ」

私はドキドキしながら
隣へ座った。

『い…い天気だね』

「ん?曇りだけど」

『そ…うだね!』

「お前どうした?」

『え?』

「体調悪いんじゃね?」

『そう?絶好調だよ!』

男はジロジロ
私のことを見回す。

「ふーん」

っと言いながら
後に言葉を繋げる

「やっぱり帰ろうぜ」

『ダメでしょ』

「大丈夫っ!」

男は私の腕を引っ張り
階段を降りる。

私は嬉しくなり
心の中で思った。

神様、、、
私はこの幼なじみを好きになっても
いいんでしょうか

とね

良いか悪いかを決めるのは
私だけではない

今後の幸せは
神様に託すとします。

これからの将来は
神様だけが知ってるかもね

「ん?」

『ううん…なんでもないよ』

ね!神様!

私は幼なじみの手を
強く握りしめたのだ。

7/4/2022, 12:22:07 PM