理想のあなた
バス停のベンチに腰掛け、目を瞑り、視覚以外の感覚を研ぎ澄ませる。
呼吸に意識が向く。
吸って吐いて。
吸って吐いて。
しばらくすると呼吸から意識が逸れ、車の音が聞こえはじめる。住宅街の割には少しスピードが出過ぎているように思える。夜風が少し肌寒く、木々の擦れる音が聞こえる。
私は今どこにいるのだろう。私は私という人生のどの道を歩んでいるのだろう。そもそも進んでいるのだろうか。
自分の分身を暗闇の中心に置く。私はどこにいるのだろう。暗闇にいる分身は私自身ではなく、棒人間のようなフォルム。外見は度外視して考えてみる。暗闇の中に扉が目の前に現れる。真っ暗な空間にも関わらずここに扉があるとわかる。厳重そうな扉だ。ここに私のどんな感情が、中身が現れるのだろう。
私は開け方がわからない。人に頼ってしまう。この扉も、私が呼んだ誰かに開けてもらうのだろう。
そうだ私は、
「自分で自分を整えられる人間になりたい。」
だから、理想の自分と言われて出てきた理想像は、そのための目標なのだろう。
5/20/2026, 1:06:16 PM