「吹き抜ける風」
今の時期に吹く風の冷たさは尋常ではない。
夜のバイト帰り、見慣れすぎた道をしゃかしゃかと漕ぎ進めていく。
シフト被ったおばさんは寒いから車で来たと言っていたか、大人ってずるいな。
教習いつ行くかな、なんてカレンダーと口座の残高を交互に頭に思い浮かべる。
どちらも余裕がないし気持ち的にも面倒で、最終的には脳から抹消して解決させることにした。
ふと目の端から人口の光が差し込んだ。
寒すぎて横なんて見ていられないのだがあまりの明るさに目を向けると、
でかでかとした おでん の文字が激しく揺れていた。
コンビニ様、今年の冬もお世話になりますという思いを込めて、相変わらず慌ただしく動くのぼりに心の中で敬礼した。
口の中で溶けてゆく大根が、美味だった。
店員に顔を覚えられないようにしないと。
11/19/2025, 2:30:59 PM