名勿し

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終わらせないで欲しかった。

私が寝る時、必ず腕をお腹に回すのも、

私がご飯を作る時、うざったくなるくらい
味見させてって言って来るのも、

私が服を選ぶ時、本当に真剣に悩んでくれるのも、

全部、ぜんぶ、大好きだった。

「重たいからやめて」は、
「もっとくっついて欲しい」だった。

「どっか行って」は、
「何処にも行かないで」だった。

「そんなに悩まなくていいのに」は、
「私のために悩んでくれて嬉しい」だった。

貴方との生活が終わってしまってから、気がついた。
私の天邪鬼がこんなにも憎らしいなんて。

何気ない生活の会話ですら素直になれなかった私はバカだ

今はこんなに素直に言えるのに、叫べるのに、

返してくれる貴方が居ないから。

1人では広すぎるベッドで寝て、
貴方のために作らないご飯を作って、
服も自分でテキトーに決めて、

普通ではあるのに、私だけ違う世界に来たみたい。

貴方という存在が居ない世界に、

私はひとりぼっちで

迷い込んでしまったんだ。

貴方が死んだあの日から、

私の終わりの日々が始まってしまったんだ。

11/28/2023, 2:07:17 PM