「影絵」
僕は貴方が大好きです。
貴方は皆の光。
僕は誰がみても影のような存在です。
それでも僕は貴方が好きです。
僕が影になることで貴方がもっと輝くのなら僕は
喜んで影になります。
なのでそんな顔、しないでください。
貴方は笑って輝いてください。
僕も隣で笑っていますから。
この先一緒に居ますから。
貴方はこんな僕を好きだと言ってくれましたね。
僕だって貴方が僕を好きなぐらい、貴方が大好きです。
僕と貴方が一緒にいると釣り合わないだとか馬鹿にしてくる人が必ずいます。
でもその度にそんなことないって言ってくれて僕は
ものすごく救われました。
正直に言うと、やっぱり馬鹿にされると少しは腹が立つし、心が痛くて堪らなくなります。
だから、とっっても救われた気がしたんです。
いつの日か、僕は貴方にひどい事を言ってしまったと思います。
僕は貴方のように、輝けない。
いつも僕と居て僕を踏み台にするなって。
どうして僕と居るんだって。
もう会いたくないって。
そしたら貴方が僕に言ったんです。
私を馬鹿にするな。って
自分の事を目立たせるためだけに、好きな奴を踏み台になんかしないんだって。
それに、私なんかよりあんたの方が良いところがたくさんあって輝いているんだって。
泣きながら訴える貴方がを見ると胸が痛くてたまりませんでした。
僕は思っていた事を言っただけなのに、
自分の意見をこの先、後悔しないように惨めにならないように言っただけなのに、
こんなにも胸が痛くなるなんて、思ってもいませんでした。
最近、「影絵」と言うものを知りました。
小さい頃夢中になっていた事を思い出しました。
影絵は、黒一色の影が形をつくる。それだけの事なのに、人々を夢中にさせる。
これを知った時、僕はもしかしたら彼女のように影なりに輝けるのではないかと思いました。
そもそも影と言うものは光があるから形を表すことができます。
僕にぴったりではありませんか。
彼女と言う光が目の前にいる僕はいつだって影となって輝く事ができます。
僕は彼女のように輝けるのだ。
と思うと、嬉しくてたまりませんでした。
彼は、いつもいつも自分は影だと言う。
私が光だと言うし。
彼はきっと自分の魅力に気がついていないだけだ。
そもそも私が光で彼が影だと言うのなら、
どうして光である私が影を好きになると言うんだ。
彼は気がついていない。
自分の魅力にも、自分がこんなにも愛されているんだということにも。
彼は私が彼を踏み台にしているといった。
そんなはずない。
本当にしているんだったら、彼が馬鹿にされている時にあんなにキレたりなんかしない。
彼を思って本気で泣いたりしない。
そして何よりも、こんなにも愛したりしない。
光は影があるから輝ける。
影は光があるから輝ける。
当たり前の事だけど、誰も気にしないし考えない。
この事を直接彼に言うことも考えたが、言わない事にした。
私が言っても意味がないと思ったから。
彼を一番に支えるのは自分が良いし、誰にも譲りたくない。
でも今はそんなこと言っている場合ではない。
これだけは彼が自分で気がつかないと意味がない。
彼が気が付くまで待つしかない。
でも私はずっとまっている。
愛する彼のために、彼を愛する私のために。
僕は知らないといけない。
彼女がずっと待ってくれているから。
まだよく分からない。
でも、僕を愛してくれている人のために考えよう。
彼女がずっと待ってくれているって信じているから。
考えて考えよう。
僕と彼女のために。
彼女とこの先一緒に居るために。
4/20/2025, 10:19:08 AM