恒星さくら

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男はとあるバーに来ていた
ここはいくつも前の時代に存在した酒を飲むための場所で女性がそれをより楽しくさせてくれるようなものとは違っている
まぁ、女性が楽しませてくれると言う点においては変わらないと言えるが

「今日はどのようなものがよろしいですか?」
営業マンみたいな口調の店員だが、こんなところではそれがむしろ助かる

「そうだな 今日は最近流行りのものでもお願いするかな」
特にこれと言って飲みたいものもなく疲れていたのもあって選択を面倒に思ったのだ

「では、こちらの愛シリーズなどいかがでしょう」
新しいものをと言うことで気の逸る営業マンのように即座に答えてきた

「ふむ、愛シリーズねぇ じゃあ、この中から作ってもらうとしよう」
特段シリーズものに興味もなく、カタログを適当にめくりながら答えた

この店”愛樹”が提供するもの それはエキス
多くは語らないが、女性が楽しませると言えば察しもつくだろう

「ん? この子 めぐみ?」
愛シリーズの中で異彩を放つめぐみの名
「では、この子にしてもらおうか」
「かしこまりました」
マスターの顔に戻ってるな

グラスにめぐみのエキスを注ぐのを眺めながら聞いた
「なぁ、マスター この子はめぐみなのに、なんで愛シリーズの中にいるんだ?」

「あぁ、愛と書いてめぐみと読むのですよ」

12/13/2024, 11:52:49 PM